―姿漬のかす漬です ―
塩漬メニューのコーナーで保存用に作った塩漬を水で塩抜きして、本格的な姿漬のかす漬を作ります。
みそ漬と漬け方自体はあまり変わりません。
今回は胡瓜・生姜・大根の塩漬を姿漬にして味付けをします。姿漬ですので、盛り付けた時の見た目が綺麗に仕上がります。
かす漬は下漬け、本漬、飾り漬の3工程を要します。漬け替えが多いですが、漬け替えた分酒粕の風味が増し、美味しくなります。
かす漬は酒粕をそのまま使用せず、食べやすい味に調味した調味かすを使用します。
左図はかす漬の製造工程のイメージです。
抜きかすとは漬けた後の残ったかすのことです。
今回は抜きかすがないので、下漬けから調味かすを使います。
本来、かす漬は下漬けの時に抜きかすを使用します。何回もかす漬をお作りになる方は、本漬・飾り漬けの使い終わったかすを、冷蔵庫でで保管しておいて、次回のかす漬けの下漬けの時は抜きかすをご使用下さい。
とにかく、かす漬は味がなじむまで漬け替えの繰り返しです。3回漬け替えてかすの味がなじまなかったら、もう1回漬け替えればいいのです。手間ひまかかりますが、出来上がったら鮮やかな新粕の風味ある美味しいかす漬がお召し上がりになれますよ。
焦らずに、片手間ついでにお作りになれば、負担にならずに良いと思います。
―かす漬用の調味かすです ―
酒粕 ------------------- 2Kg
砂糖 ------------------- 400g
水あめ ------------------- 340g
みりん風調味料 ------------------- 100ml
料理酒 ------------------- 100ml
塩 ------------------- 60g
白だし ------------------- 75ml
味の素 ------------------- 50g
保存用の容器
※味付け等はお好みで調整して下さい。
※材料はよく混ぜてください。
※味の素はお好みで入れなくても構いません。
― 塩漬の塩抜き ―
まずは食べる分だけの塩漬を用意します。
多く漬けても結構ですが万が一失敗したときはもったいないので、なるべくその都度食べる分だけ作りましょう。
姿漬の塩抜きは塩分がなかなか抜けません。
そこで、胡瓜・茄子・生姜の塩漬は爪楊枝等で何か所か穴を開け塩分が抜けやすいよいうに加工します。(写真②、③)
大根の塩漬は比較的塩分が抜けやすい為、大根を半割にして塩抜きをします。(写真④)
大根が細い場合半割せずに丸のままで結構です。
たっぷりの水で1~2日程度塩抜きします。
1~2時間おきに水を替えれば速く塩抜きができます。
夏季と冬季では塩分の抜けるスピードがかなり違いますので、味見しながら塩抜きをして下さい。(写真⑤)
塩抜き中に味見をして、ちょっと塩気があるかな?位でちょうどいい塩加減です。
塩抜きが出来たら、よく水気を切っておきます。
― まずは下漬けです ―
本来は下漬けは抜きかすを使用ます。
今回は抜きかすがないので、調味みそを使用します。
容器の大きさで調味かす(ぬきかす)の量は調整して下さい。
塩抜きした塩漬と調味かすを用意します。(写真⑦)
容器の底に軽く調味かすを引きます。(写真⑧)
容器の底にに塩抜きした塩漬をぎゅうぎゅうに敷き詰めます。
(写真⑨)
調味かすを塩漬がかぶる位かけます。(写真⑩)
その上に残りの塩漬をすきまなく詰めます。(写真⑪)
さらに、塩漬の上に調味かすをかけます。(写真⑫)
以上で下漬けの作業は終了です。
かすの味がなじむまで最低1週間程度冷暗所・冷蔵庫で保管します。
冬場以外の気温が高い時は粕が発酵して、ふくれ・酸味の原因となりますので、なるべく冷蔵庫保存をオススメします。
容器に入りきれない塩漬は、シッパータイプの容器などに調味かすと一緒に入れて、漬け込みましょう。
― 第2工程本漬です ―
下漬した野菜を軽く洗って、水気をふき取ります。
本漬は上記の調味みそを使用します。
容器の大きさで調味かすの量は調整して下さい。
下漬後の野菜と調味かすを用意します。(写真⑬)
下漬で野菜が漬かっていますので、下漬前よりも若干重量が減っています。
容器の底に軽く調味かすを引きます。(写真⑭)
下漬けの時と同様の作業です。
底に下漬け後の野菜をぎゅうぎゅうに敷き詰めます。
(写真⑮)
下漬けの時と同様の作業です。
2段目に下漬け野菜を敷き詰め調味みかすを野菜にかぶる位引きます。(写真⑯)
下漬けの時と同様の作業です。
その上に残りの下漬け後の野菜をのせ、また調味かすを引きます。(写真⑰)
下漬けの時と同様の作業です。
以上で本漬の作業は終了です。
みその味がなじむまで最低1か月程度冷暗所・冷蔵庫で保管します。
― 最後の工程です ―
本漬した野菜を軽く洗って、水気をふき取ります。
飾り漬は上記と同じ調味かすを使用します。
容器の大きさで調味みその量は調整して下さい。
本漬後の野菜と調味かすを用意します。(写真⑱)
本漬で野菜が漬かっていますので、本漬前よりも重量が減ります。ほのかにかすの色が付いています。
容器の底に軽く調味かすを引きます。(写真⑲)
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
底に本漬後の野菜をぎゅうぎゅうに敷き詰めます。(写真⑳)
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
調味粕を本漬け後の野菜がかぶる位引きます。(写真㉑)
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
その上に残りの本漬後の野菜をのせ、また調味かすを引きます。(写真㉒)
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
以上で飾り漬の作業は終了です。
かすの味がなじむまで最低1~2か月程度冷暗所・冷蔵庫で保管します。
写真㉔は1か月後のかす漬です。
美味しそうなうす黄色に色付きます。
かす漬は味がなじむまで漬け替えの繰り返しです。
3回漬け替えてかすの味がなじまなかったら、もう1回漬け替えましょう。
きれいに盛り付けましょう!(写真㉔)