―瓜の漬物の定番です ―
塩漬メニューのコーナーで保存用に作った塩漬を水で塩抜きして、瓜の奈良漬(かす漬)を作ります。
ここでは瓜の塩漬をかす漬にして味付けをします。姿漬ですので、盛り付けた時の見た目が綺麗に仕上がります。
瓜の奈良漬は下漬け、本漬、飾り漬の3工程を要します。漬け替えが多いですが、漬け替えた分酒粕の風味が増し、美味しくなります。
奈良漬は酒粕をそのまま使用せず、食べやすい味に調味した調味かすを使用します。
左図はかす漬(奈良漬)の製造工程のイメージです。
抜きかすとは漬けた後の残ったかすのことです。
今回は抜きかすがないので、下漬けから調味かすを使います。
本来、かす漬(奈良漬)は下漬けの時に抜きかすを使用します。何回もかす漬をお作りになる方は、本漬・飾り漬けの使い終わったかすを、冷蔵庫でで保管しておいて、次回のかす漬けの下漬けの時は抜きかすをご使用下さい。
とにかく、かす漬(奈良漬)は味がなじむまで漬け替えの繰り返しです。3回漬け替えてかすの味がなじまなかったら、もう1回漬け替えればいいのです。
手間ひまかかりますが、出来上がったらべっこう色の美味しいかす漬がお召し上がりになれますよ。
焦らずに、片手間ついでにお作りになれば、負担にならずに良いと思います。
―かす漬(奈良漬)用の調味かすです ―
今回は市販のスーパー等にあるような茶褐色の本格的に漬かった色の「瓜の奈良漬」作りたいと思います。
一般的な酒粕は、白っぽい色をしており、このまま奈良漬に使っても良いのですが漬けた後は、白っぽい色の奈良漬が出来上がります。
当サイトの「色んな野菜のかす漬」のコーナーが、白っぽい色の酒粕を使用しています。
このかす漬・奈良漬でも美味しくいただけますが、酒粕が十分に熟成していないので若干物足りません。
そこで、今回は新しい酒粕を熟成させてから、漬け込みに使おうと思います。
生瓜の出回る(6月頃)3~4か月前に、新しい酒粕を購入しておきます。
この酒粕を丈夫なビニール袋等に入れてしっかりと口を閉じます。常温の冷暗所で3~4か月置いておけば、下部の写真のようなしっかりと熟成して、飴色の酒粕になります。酒粕が熟成して、汁気が漏れ出す場合があるので、タル等の中で保管しましょう。
今回はこの酒粕を使用します。
調味かすを作ります。
酒粕(熟成させたもの) ------- 4Kg
砂糖 ------------------- 800g
水あめ ------------------- 680g
みりん風調味料 ------------------- 200ml
料理酒 ------------------- 200ml
塩 ------------------- 120g
白だし ------------------- 150ml
味の素 ------------------- 100g
保存用の容器
※味付け等はお好みで調整して下さい。
※材料はよく混ぜてください。
※いっぺんに全部は使わないので、何個かの容器に小分けして保管しましょう。
※味の素はお好みで入れなくても構いません。
― 塩漬の塩抜き ―
塩漬メニューのコーナー作った瓜の塩漬は塩度が高いためとても食べれません。
そこでたっぷりの水で塩抜きをします。
この工程を脱塩と呼びます。
まずは食べる分だけの塩漬を用意します。
多く漬けても結構ですが万が一失敗したときはもったいないので、なるべくその都度食べる分だけ作りましょう。
瓜の塩漬をたっぷりの水で塩抜きします。
この時、瓜の背中(皮側)が上になるようにして塩抜きします。
姿漬の塩抜きは塩分がなかなか抜けません。
たっぷりの水で1~2日程度塩抜きします。
水を入れ替えながら瓜の塩漬も上下入れ替えると、早く塩が抜けます。
1~2時間おきに水を替えれば速く塩抜きができます。
夏季と冬季では塩分の抜けるスピードがかなり違いますので、味見しながら塩抜きをして下さい。
塩抜き中に味見をして、ちょっと塩気があるかな?位でちょうどいい塩加減です。
― まずは下漬けです ―
本来は下漬けは抜きかすを使用ます。
今回は抜きかすがないので、調味かすを使用します。
容器の大きさで調味かす(ぬきかす)の量は調整して下さい。
塩抜きした塩漬と調味かすを用意します。(写真⑤)
容器の底に軽く調味かすを敷きます。(写真⑥)
瓜の塩漬を容器に詰めていきます。
瓜は腹側が窪んでいますので、くぼみに調味かすを塗り、腹側に空気が入らないようにしながら容器に詰めていきます。
(写真⑦)
写真⑦のように瓜の腹側にかすをぬりまがら、瓜を容器の底にぎゅうぎゅうに敷き詰めます。(写真⑧)
調味かすを塩漬がかぶる位かけます。(写真⑨)
その上にさらに残りの瓜を腹側にかすを塗りながら敷き詰めます。(写真⑩)
この作業を繰り返します。
今回は3段回漬けました。
最後に瓜の上に調味かすをたっぷりとかけます。(写真⑪)
以上で下漬けの作業は終了です!
調味かすの味がなじむまで最低1週間程度冷暗所・冷蔵庫で保管します。
夏場は冷蔵庫での保管します。
― 第2工程本漬です ―
下漬した野菜を軽く洗って、水気をふき取ります。
本漬は上記の調味かすを使用します。
容器の大きさで調味かすの量は調整して下さい。
下漬後の瓜と調味かすを用意します。(写真⑬)
下漬で瓜が漬かっていますので、下漬前よりも若干重量が減っています。
本漬では下漬け時に上側にあった瓜を底側に、下漬け時に底側にあった瓜を上部になるように漬けます。
こうすることで、瓜に均一な味がしみ込みます。
写真⑬では左側が下漬け時に底側にあった瓜、右側が下漬け時に上側にあった瓜、真ん中が中間にあった瓜です。
容器の底に軽く調味かすを引きます。(写真⑭)
下漬けの時と同様の作業です。
瓜の腹側にかすを塗りながら容器に敷き詰めていきます。
(写真⑮)
下漬けの時と同様の作業です。
瓜の腹側にかすをぬりまがら、瓜の下漬を容器の底にぎゅうぎゅうに敷き詰めます。(写真⑯)
下漬けの時と同様の作業です。
この時下漬け時に上部にあった瓜を漬けます。
調味かすを瓜にかぶる位敷きます。(写真⑰)
下漬けの時と同様の作業です。
この作業を繰り返します。
2段目も同様に漬込みます。(写真⑱)
この時下漬け時に中間にあった瓜を漬けます。
調味かすを瓜がかぶる位敷きます。
下漬けの時と同様の作業です。
3段目に調味かすを瓜に覆うようにしてかけます。(写真⑳)
下漬けの時と同様の作業です。
以上で本漬の作業は終了です!
調味かすの味がなじむまで最低1か月程度冷暗所・冷蔵庫で保管します。
なるべく冷蔵庫で保存します。
― 最後の工程です ―
本漬した瓜を軽く洗って、水気をふき取ります。
飾り漬は上記の調味かすを使用します。
容器の大きさで調味かすの量は調整して下さい。
本漬後の瓜と調味かすを用意します。(写真㉑)
本漬で瓜が漬かっていますので、本漬前よりも重量が減っています。
飾り漬では本漬同様に下漬け時に上側にあった瓜を底側に、下漬け時に底側にあった瓜を上部になるように漬けます。
こうすることで、瓜に均一な味がしみ込みます。
写真㉑では左側が本漬時に底側にあった瓜、右側が本漬時に上側にあった瓜、真ん中が中間にあった瓜です。
容器の底に軽く調味かすを引きます。(写真㉒)
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
瓜の腹側にかすを塗りながら容器に敷き詰めていきます。
(写真㉑)
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
瓜の腹側にかすをぬりまがら、瓜の下漬を容器の底にぎゅうぎゅうに敷き詰めます。(写真㉔)
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
この時本漬時に上部にあった瓜を漬けます。
調味かすを瓜にかぶる位敷きます。(写真㉕)
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
この作業を繰り返します。
2段目も同様に漬込みます。(写真㉖)
この時本漬時に中間にあった瓜を漬けます。
調味かすを瓜がかぶる位敷きます。
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
3段目に残りの瓜を敷き詰めます。(写真㉗)
この時本漬時に底側にあった瓜を漬けます。
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
3段目に調味かすを瓜に覆うようにしてかけます。(写真㉘)
下漬け・本漬の時と同様の作業です。
以上で飾りの作業は終了です!
調味かすの味がなじむまで最低1か月程度冷暗所・冷蔵庫で保管します。
冬場以外はなるべく冷蔵庫で保存します。
かす漬(奈良漬)は味がなじむまで漬け替えの繰り返しです。
3回漬け替えて、かす漬の味がなじまなかったら、もう1回漬け替えてみましょう。
出来上がったら、きれいに盛り付けましょう!(写真㉚)