しょう油漬等の調味液について

― 調味液の作り方・考え方―


 

浅漬の調味液についてのコーナーでは調味液の計算の仕方・改良方法についてご説明しました。

このコーナーでは同様にしょう油漬の調味液について簡単にご説明いたします。

調味液中の塩分や全窒素等の割合をなるべく変えずにコストを減らす事を考えていきます。

なお、私の今までの経験と現場でで必要とされてきた事をまとめた主観的な考え方ですので、ご了承ください。

また、調味料の組み立て・使用添加物・計算の考え方等は 漬物製造論で尊敬する下記の先生方の著書等から学びました。感謝とご報告をのべると共にご了承ください。

※ 前田安彦:漬物学、幸書房

※ 小川敏夫:漬物製造学、光琳


調味液で分析・計算する成分

調味液考察に必要な成分―

しょうゆ漬では名前の通り、しょう油が味付けのメインになります。浅漬の調味液についてのコーナーで紹介した調味料を使用してしょう油漬の調味液を作ってみます。

 しょう油漬等の古漬では、旨味の指標である全窒素量がなるべく多くなるように調味液配合を目指します。

 

浅漬の調味液しょう油漬の調味液での計算は1L(リットル)当たりの単価ですることとします。

 

 

実際に調味液を作ってみる

 

浅漬の調味液について」のコーナーで紹介した材料を用いてしょう油漬の調味液を実際に作ってみます。

表の作成に当たってはExcel等の表計算ソフトを使うと便利です。

下記の表①はしょう油漬の調味液のデータをエクセルで作った計算例です。

 

以下、表①と説明を交えながら調味液について考えます。

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表① エクセルで作ったしょう油漬の調味液の計算例です

代替品を加え、安く作ってみる

さらに安く調味液を作ってみる

 

 

上記の表①は私の先代が使っていたしょう油漬の調味液のレシピを簡素化したものです。表から見ても分かるように、しょう油の使用割合が多く、また果糖ぶどう糖液糖も使用価格を押し上げています。 全体の調味液価格30,800円に対してそれぞれ18,900円、5,250円とかなりのウエイトを占めていることが分かります。

このような場合も、浅漬の調味液についてのコーナーでご紹介したように、高い価格の食品を別の食品等で置き換え、価格を安くする事を目指します。

 

ここでは、しょう油を使いながら、アミノ酸液も併用します。同様に果糖ぶどう糖液糖とステビア製剤を併用して、調味液価格を下げる事を考えます。

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表② エクセルで作ったしょう油漬の調味液の計算例です

 

上記の表②はしろしょう油を126Lから18Lまで減らし、代わりにアミノ酸液を20L加えました。この作業で全体の全窒素量はさほど変化しませんが、塩分が同じになりません。そこで、表①と同じ塩分量になるように塩を足し25Kgから39Kgにしました。

 

一方、果糖ぶどう糖液糖は35Kgから25Kgと10Kg減らし、代わりにステビア製剤を加えます。ステビア製剤の添加量は初めは少量から加え、味見(官能試験)をしながら徐々に増やします。今回は0.5Kg使います。

 

この一連のの作業で、調味液1L当たりの単価が73.33円から46.31円と大幅に下がりました。

調味液の成分に関してもほぼ同じです。糖量が少し減りましたが、ステビア製剤を併用していますので甘味度はさほど変わりませんでした。

 

 

このような作業は計算ばかりが目立ちますが、いくら安く出来ても美味しくなければ意味がなく、最終的には人間の味覚(官能試験)で決まります。 

 

このようにして、まず調味液の味が決まったら、色々な調味料・添加物で置き換えて価格が下がるように計算します。