―Excelを用いた浅漬の原価計算について―
このコーナーでは浅漬原価計算等を少し専門的にご紹介します。
浅漬の塩漬の価格計算②で塩漬価格の計算をご紹介しました。塩漬価格が分かれば、浅漬商品の製造原価が分かります。
ここではExcelを用いた浅漬の製品価格(主に白菜)の計算方法をご紹介します。
原価計算などでは必要な作業なので、わかる範囲だけでも閲覧して頂ければ幸いです。
なお、私の今までの経験と現場でで必要とされてきた事をまとめた、あくまでも独断的・主観的な考え方ですのでご了承ください。
― 材料費に特化する―
上図は原価を機能別に分類した例です。原価は材料費・労務費・経費に分類されます。材料費は製品を製造するのに使用する原料や材料の費用です。労務費は製品製造のための賃金です。経費は製造原価のうち、材料費と労務費以外の原価です。
製品にかかる原価のうち、労務費・経費は会社・工場によって価格のかけ方がいろいろと種類があると思います。
ここでは、材料費に特化して浅漬・特に白菜漬の原価をご紹介しようと思います。
― その日の漬け込みが可視化します―
浅漬の塩漬価格計算②のコーナーではExcelを用いた塩漬価格・歩留まりの計算方法をご紹介いたしました。
この計算ではすでに塩漬価格が計算されていますので、材料費に限って商品の原価計算をしようと思います。
上図は浅漬の塩漬の価格計算②でご説明した浅漬の漬け込み工程と塩漬(歩留まり)の計算後、製品価格を計算する欄を追加したものです。ここでは白菜漬ホール200g入りについての計算例です。項目③で塩漬価格を計算後、塩漬200gを計算し(赤枠□内の数値)④でそのまま調味液・袋価格等を加算して製品価格を算出しました。ここでは62.79円となりました。
この赤枠□内の数値の信頼性についてですが、総塩漬け使用価格が35,716.50円で製品完成個数が721個ですので、1個当たりの材料費は
35,716.50 ÷ 721 = 49.5374 ≒ 49.54
となり、計算が信頼できると分かります。
製品種類が1種類だと上記の単純割り算でよいのですが、内容量が異なる複数の種類ですと計算が面倒になりますので、Excelを用いた計算の方が簡単だと思います。
計算に当たって表内の■の色のデータは必ず記録し、後の月単位の歩留まり計算データ等に用います。
次に、複数製品の製造時の計算をしてみます。
上図は複数製品の製造データを浅漬の漬け込み工程と塩漬(歩留まり)の計算後、材料価格を計算する欄を追加したものです。ここでは白菜漬ホール200gと300g入りの2製品についての計算例です。上図は白菜漬の漬け込みを記録したデータです。工程は①塩漬工程、②小分け・計量工程、③塩漬単価計算、④製品価格計算に分かれています。
③ので塩漬単価が出たので、このキロ単価と内容量から④の製品1個当たりの塩漬価格を計算しています。
計算に当たって表内の■の色のデータは必ず記録し、後の月単位の歩留まり計算データ等に用います。
上記の計算に労務費・経費を加えれば製品の製造原価が分かります。
この材料費に毎日労務費・経費を付加するか、月合計の材料費を算出して労務費・経費を付加するかは会社・工場によって付加する価格・タイミング等が異なると思いますのでここではあくまで計算例を取り上げています。
この製造計算過程ではその日の漬け込みと同時に原価等のデータが得られるので、その後のデータ管理に便利です。