食品の製造原価②

― 加工食品を販売する際には必要な計算です―


このコーナーでは加工食品を販売する場合の製造原価の計算方法について簡単にご説明いたします。商品の販売はいくら良い商品を作っても、その製造原価が分かっていないと販売の利益がきちんとあるかどうかが分かりません。大体この位でいいやとどんぶり勘定で販売すると全然利益が出ていないこともしばしば聞きます。

ここでは、簡単な漬物で実際に漬け込みから味付け・個包装で商品化した場合の製造原価の計算を、食品表示と共にご説明いたします。1商品の一連の商品化の流れをご説明いたしますので、ご自分の商品販売に是非お役立てください。



実際に原価計算してみましょう!

― 簡単な浅漬の原価計算です―

ここでは、白菜の浅漬の原価計算をご説明いたします。比較的簡単な商品ですので、一度実際に作ってご自分で製造、計算をしてみましょう。実際に作業することで、理解が深まり、問題点なども発見できると思います。

下図は原価計算のの大まかな流れです。計算するに当たって、必要なデータがあります。各工程で①~⑨までの赤・黒それぞれのデータが必要です。必ずデータを記録しておきましょう。

漬物 原価計算 価格計算 方法 製造原価 漬物カフェ 届出 申請
はくさい漬 白菜漬 漬物 原価計算 販売利益 製造原価 漬物カフェ

以下の設定で製造します。

品名 白菜の浅漬
使用する野菜 白菜(原料は国産)、輪切り唐辛子(原産国は中国)
内容量 250g
賞味期限・保存方法 製造日より6日 要冷蔵(10℃以下)
メインの味付け 食塩、味の素、白だし
使用する包材 漬物用袋・表ラベル・食品表示用ラベル(裏)
アレルゲンの有無 有り 白だし使用(小麦・大豆)


以下、製造工程・使用材料・使用価格等を同時に説明いたします

漬け込みの流れ

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写真は白菜の浅漬の原材料等のイメージです

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白菜に塩をふります

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重石をして差し水を注ぎます

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翌日、塩漬が出来ています。重量が減っています。

カット・計量・袋詰め・

調味液注入・口閉じ

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白菜の浅漬の製品が出来ました
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白菜の浅漬の表示例です
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白菜の浅漬の栄養成分表示の例です

※一般的に浅漬は品名としては「塩漬」と

表示されることが多いようです。

使用材料・使用量・使用価格・工程説明

 

使用原料・原材料 使用量・重量 使用単価 使用価格
白菜 6玉(15Kg)  ① 300(円/玉)

1800円         

塩(漬け込み用) 300g             ② 0.5(円/g) 150円         
       
水(差し水用) 3L   0円
塩(差し水用)

150g          

0.5(円/g) 75円       
 

 
塩漬後白菜の重量

9.0Kg       ③

  合計2025円  

白菜の下漬けの計算

生の白菜は外側の使えない汚れた葉等は除去し、洗浄します。左図の写真のように白菜を塩漬し、差し水を注ぎ、一晩漬け込みます。翌日、白菜の塩漬を水で洗い計量します。塩漬後の白菜は9.0Kgに減っていました。

 

 ※長時間下漬けすると、白菜の水分が抜けてさらに塩漬後の重量が変わります。

 

上記の表から白菜の下漬けの1キロ当たりの単価は

          2025÷9.0=225.0

となり、白菜の塩漬単価は 225.0(円/キロ)となります。(■)

 

(■)の単価はここでは使いませんが、基本的に必要なデータですので、必ず計算しておきましょう。

調味液使用量・使用価格の計算

使用原料・原材料 使用量 使用単価 使用価格
食塩 60g 0.5(円/g) 30円
味の素 20g 5(円/g) 100円
砂糖 110g 0.2(円/g) 22円
みりん風調味料 30㏄ 0.2(円/1㏄当たり) 6円
白だし

20㏄

1(円/1㏄当たり) 20円
55㏄ 0.2(円/1㏄当たり) 11円

水を加えて

合計2000㏄

にする

  0円
合計

2000㏄

  189円

上記の表から胡瓜の調味液の1リットル(1000㏄)当たりの単価は

           189÷2=94.5

となります。従って、

調味液単価 94.5(円/L)となります。(★)

(■)の塩漬を250gずつにカット・計量して袋詰めして、調味液を注入します。

商品の設定で内容量を250gとしていますので、(■)より商品が36個できる計算になります。

 

★より1袋当たり調味液を200㏄(0.2L)使うとします。従って、調味液使用量は

            0.2L×36個=7.2L 

となります。これより、調味液の使用価格の計算は 

            94.5×7.2=680.4円 

となります。

 

商品を入れる袋10円、表ラベル5円、裏ラベル3円(それぞれ1個当たり)とします。全工程に要した人件費を800円とします。輪切り唐辛子(0.1円/g)を1袋当たり2~3個入れます。36個分総使用量は4gでした。(▲)  

 

裏ラベル表示は左図を参考にして下さい。

 

 

 

 

■・★・▲より白菜の浅漬の製造原価は以下の表の計算となります。 

白菜の浅漬の最終原価計算

  使用量・重量 使用単価 使用価格

 塩漬野菜

9.0Kg 225.0(円/Kg) 2025円    
 調味液 7.2L 94.5(円/L) 680.4円   

 袋

20枚

10(円/枚) 200円    

 輪切り唐辛子

4g

0.1(円/g)) 40円   
 表ラベル 20枚 5(円/枚) 100円    
 裏ラベル 20枚 3(円/枚)

60円      

 人件費・光熱費  

 

800円    

 合計

   

3905.4円 

 完成商品個数

36個         ⑧

 

なお、左図の原料原産地名表示で、原料の使用量が内容量の5%未満の食品は原料原産地名を表示しなくてよいことになっております。従って、輪切り唐辛子の原料原産地名は表記しておりません。


以上から今回作った白菜の浅漬の1袋当たりの製造原価は ÷⑧の計算で 

                    3905.4÷36=108.48円 

となります。従っておおよその白菜の浅漬の原価は 108.5円 となります。人件費・光熱費等は各々で設定して下さい。

この計算方法は簿記等の厳密な計算方法ではなく、あくまでも製造原価の目安とするものです。

実際の製造ではロスが出たりしますので、詳しくはお問い合わせください。


上記の表示方法・計算方法はあくまでもわかりやすく、簡単に説明したものです。厳密な食品表示・原価計算方法の定義とは異なる場合があります。ご了承ください。

 

もう少し詳しく計算方法をこちらでご紹介していますので、参考にされてください。


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