― 生姜の塩漬は万能です ―
本格的な漬物を作るための準備として、実際に保存を目的とした野菜の「塩漬」の作り方をご説明いたします。
ここでは、「生姜の塩漬」を実践してみましょう。
「塩漬」は1次漬(下漬)のみです。
生姜の塩漬はしば漬、甘酢漬、みそ漬等様々な漬物に応用できます。
新生姜を用意します。
新生姜はすぐ色が変わります。
新しいものを揃えましょう。
新生姜 ------------------- 皮むいて約1.8Kg
塩 ------------------- 360g
(生姜に対して約20%の塩)
白梅酢 ------------------- 900ml
(生姜に対して約50%の量)
漬物用プラスチック製のタル(写真は10型)
(サイズが色々ありますのでお好みでご用意下さい)
重石(写真は5.5Kg型)(タルに合わせてご用意下さい)
蓋(タルに合わせてご用意下さい)
きれいなビニール袋
白梅酢は梅の塩漬のコーナーで作った物を使用します。
※重石は生姜に対して最低1.5倍程度のものを用意しまょう。
※白梅酢がない場合は、食酢450ml、水450ml、塩180gで代わりの塩水を作ります。
― 塩加減が重要です ―
新生姜をよく水で洗って水気を切ります。
塩漬けやすいように今回は3つに分けます。
底用(6分の1=約60g)、中部用(6分の2=約120g)、上部(6分の3=残りの塩半分)に大体で結構ですので、あらかじめ分けておきます。
生姜も大体でよいので、3つに分けておきましょう。
タルの底に軽く塩をふります。(写真①)
最初の3分の1の生姜を隙間がないようにタルに並べて塩(底用60g)をふります。(写真②)
同じように中部に3分の1の生姜を隙間がないように並べて塩(中部用120g)をふります。(写真③)
下部(写真②)の漬込みよりも必ず塩の量が多いように漬けます。
残りの生姜を隙間がないように並べて塩(上部用180g)を振ります。(写真④)
写真②、写真③に比べるとびっくりするくらい塩の量が違いますがこれで大丈夫です。野菜の塩蔵のときの塩の目安は下部が少々、中部はもう少し多く、そして残り上部は雪景色になるくらいに塩をふります。
塩蔵野菜を作る際は必ず塩の量は下の方は軽く、上の方は多くふります。
これは、重力の影響で塩分は下部に沈む性質があるためです。下の方は軽く、上の方は多く塩を振ると結果的にタル全体の塩分が上下均一になります。
左図⑤は胡瓜の場合ですが参考にしてみて下さい。
ビニールと蓋をして重石を乗せます。重石の重さは最低でも生姜の1.5倍程度必要です。
蓋とタルのすきまから白梅酢を少しずつ入れます。(写真⑥)
このまま冷暗所で1週間程度漬け込みます。途中塩水が上がってこない場合は足して下さい。
漬け込み期間中は、タルの蓋が十分に塩水の水面よりも下に沈むように、塩水の量を管理しましょう。蓋にギリギリの塩水ですと、漬け込んでいる生姜の上部が傷む可能性があります。
もし、漬け上がりで上部の生姜が傷んでいる場合は捨てて下さい。
※白梅酢がない場合は、食酢450ml、水450ml、塩180gで代わりの塩水を作ります。
新生姜を塩漬する際に褐変防止で酢(ここでは白梅酢)を入れます。
その際に新生姜に含まれるアントシアンという酵素と酢が反応してピンク色になります。
漬け方が間違っているわけではなく、原料自体が新鮮な証拠ですのでご安心下さい。
1カ月程度すれば、「生姜の塩漬」の完成です。
生姜は光・熱に弱く、黒く変色しやすいので、漬け上がり後は冷蔵庫・冷暗所で保存して下さい。
この1次漬の時点で、塩水が上がって1週間程度でも、いろいろな生姜の漬物を作る事が出来ます。
早く漬けて、お召し上がりになりたい方は、ここからいろいろな種類の生姜漬を漬けましょう。
ちなみに、写真⑦の生姜の1次漬をよく洗って、水で塩抜きすればあっさり生姜の塩漬が出来ます。
― 仕上げです ―
上記の漬け込みで十分に日持ちする生姜の「塩漬」が出来ました。
ただ、タルの中に空気がどうしてもあるので、暑い夏場などは必ず表面に産膜酵母(白カビ)が発生します。
せっかく手間暇かけて作った「塩漬」ですので、きれいに保
存出来るようにしましょう。
方法は簡単です。漬け替えて1か月程した生姜の「塩漬」をタルから取り出し、容器等に入れ替えます。この時上部の生姜が傷んでいた場合はその部分のみ取り除きます。
容器等にビニール等を広げ、取り出した生姜の塩漬を入れす。(写真⑧)
この時、胡瓜が産膜酵母(白カビ)等で汚れていたら、よく洗って塩水をサラシ等でこして下さい。
塩水が漏れないように口をしっかりと結びます。ポイントは
空気を袋の中に入れないことです。(写真⑨)
これできれいに保存できる生姜の「塩漬」の完成です